俺が芝居作りにおいて一番大事にしたいこと。
それは、娯楽であること。
これは、俺が常々思っていることであるが、元来、歌舞伎にしろ狂言にしろ、文楽だって、娯楽として派生したわけさ。
小難しいイメージがついてしまったり、伝統芸能という格式高いものになってしまったから、現代人は娯楽とは感じないのだけど…。
映画だってそう。
元来、娯楽なわけだよ。
退屈な日常で、非日常を味わえる数少ない娯楽のひとつなわけ。
色んなことが多様化した現代、娯楽もやっぱり多様化した。
映画も演劇も、色んなジャンルのものがある。
むしろ、新しくなきゃいけない気風すらある。
だが、だ。
俺は、ファッション映画や、芸術映画が、どうも好きになれない。
結局、娯楽なんですよ、そんな小難しく考えんなよって思ってしまう。
完全に趣味嗜好の問題ではあるが、だ。
娯楽、と一言で言っても色々あるが、だ。
『演劇も映画も娯楽(エンターテイメント)である』
これが俺の信条。
そんな中出会った一本の映画
『独裁者』
いわずと知れた、チャールズ・チャップリン監督・脚本・主演の映画史に残る名作映画。
無声映画の人気低迷の中、最後まで無声で頑張り続けたチャップリン。
でも、時代の波は、天才一人の力では止められなかった。。。
そうして撮った初のトーキー映画がこの『独裁者』である。
今まで、いくつかの無声映画と、晩年に撮った『ライムライト』、チャップリンの半生を描いた、ロバートダウニーJr主演『チャーリー』と、見てきたが、チャップリンって、言葉に出来ない魅力で人を包む人だというのが今までの印象。
今まで、レンタルショップで何度も目にはしながら手を出せなかった『独裁者』。
これが東京で売っていたのだ。
しかも
ワンコイン¥500
買うっきゃない
勢い勇んで買ったものの、観れるのは大阪に戻ってから。。。
待ったぜぇ、今日まで
~~★~~
第一次世界大戦も後半、1918年。
ユダヤ人で床屋を営む男(チャップリン)と、ファシスト独裁者(チャップリン)がたまたま似ているのは、ただの偶然である。
というところから始まる。
戦争、人権問題、反ファシズムという重たいテーマを、喜劇でやってのけるチャップリン。
『人間はおろかなことをしていたんだよ』と言いたいのだろうか。。。
生きてれば、何とかなる。
泣いても笑っても同じ人生なら、笑って生きようよ。
こういってるのかもしれない。
とにかくスバらしい
最後の最後に、独裁者と入れ替わった床屋の男がした演説は、間違いなくチャップリンの思想そのものなのだろう。
泣いた。。。
スカッとした。。。
サブいぼたった。。。
こんな作品を産みたいなぁ…見終わった後の最初の感想。
わかった
見終わった後に、グッと気持ちを救ってくれる。気分が高揚する。
これが、俺にとっての「娯楽」なのだな、きっと。。。